こんばんは、ぬんです
何回公開延期したかわからない「キングスマン:ファースト・エージェント」やっとみれました!!
視聴方法
映画館
鑑賞前に注意したいこと
歴史をすこし復習したほうがよさそう(後述で解説)
前作通り高所恐怖症の人にはきつい映画かも
概要
公開年
2021年
監督
マシュー・ヴォーン
過去2作も担当
あらすじ
1914年。世界大戦を密かに操る謎の狂団に、英国貴族のオックスフォード公と息子コンラッドが立ち向かう。 人類破滅へのタイムリミットが迫る中、彼らは仲間たちと共に戦争を止めることができるのか? 歴史の裏に隠されたキングスマン誕生秘話を描く、超過激スパイ・アクションシリーズ待望の最新作。 最も過激なファースト・ミッションが始まる!
映画公式サイト より引用
出演者及び役柄紹介
日本語版公式サイトだと少し物足りなかったので、ネタバレにならないレベルで拾ってきました(カタカナの表記揺れ失礼)
コンラッド(演:ハリス・ディキンソン、吹替:梶裕貴)
オックスフォード公の一人息子
オックスフォード公(演:レイフ・ファインズ、吹替:小澤征悦)
本作の主人公。キングスマンの創設者
演じるレイフ・ファインズといえば、「グランド・ブダペスト・ホテル」あたりが有名です。映像が鮮やかでみているだけでも楽しい映画ですので、ぜひ
ポリー(演:ジェマ・アータートン)
オックスフォード家のメイド
グリゴリー・ラスプーチン(演:リス・エヴァンス)
帝政ロシア末期に活躍した実在の祈祷僧(1869-1916)
演じるリス・エヴァンスは、ハリポタシリーズのルーナ(不思議ちゃん)のお父さんですね。どうしてこうなっちゃったのか
ショーラ(演:ジャイモン・フンスー)
オックスフォード家の執事
モートン(演:マシュー・グッド)
イギリス軍高官
ホレイショ・ハーバート・キッチナー(演:チャールズ・ダンス)
実在のイギリス軍人(1850-1916)で、オックスフォード公の友人
1916年に、ロシアへおもむく途中、ドイツの機雷により沈没し、死亡する
マタ・ハリ(演:ヴァレリー・パフナー)
フランス要人を誘惑し、スパイ行為を働いたとされる実在の踊り子(1876-1917)。ロシア人の愛人もいたらしい
ただ、本作にはフランス人もフランス語も一切出てこない
エリック・ヤン・ハヌッセン(演:ダニエル・ブリュール)
実在した預言者を騙る手品師・占星術師(1889-1933)
ガヴリロ・プリンツィプ(演:ジョエル・バズマン)
サラエボ事件を起こした実在の青年(1894-1918)
ジョージ5世、ヴィルヘルム2世、ニコライ2世(演:トム・ホランダー)
従兄弟同士とはいえ、一人三役ってすごい
ジョージ5世
実在のウィンザー朝のイギリス王(1865-1936)
ヴィルヘルム2世
実在のドイツ帝国のホーエンツォレルン家第3代の皇帝(1859-1941)
ニコライ2世
実在の帝政ロシア最後の皇帝(1868-1918)
周辺史実まとめ
第一次世界大戦の史実流れ通りに展開される本作。深く理解していなくても楽しめたのですが、知っていた方がより一層楽しめるのでまとめてみました
世界史とっておけばよかったと後悔する今日この頃
映画が趣味ということもあって、世界史の本(↓)買ったんですが、私レベルでも理解でき楽しめているのでおすすめです(日本史版もあります)
年表
- 1894年 日清戦争
- 1895年 三国干渉
- 1902年 日英同盟
- 1904年 日露戦争
- 1905年 血の日曜日事件(ロシア第一革命)
- 1905年 モロッコ事件
- 1907年 英露協商
- 1914年 サラエボ事件
- 1915年 ルシタニア号事件
- 1917年 (ロシアの)2月革命
- 1917年 アメリカ参戦
- 1918年 第一次世界大戦 終戦
1894年 日清戦争
本作では日本は一切出てきませんが、わかりやすくするために、少々前からお話しします
清に勝利した日本は、遼東半島、台湾、澎湖諸島を手に入れます
1895年 三国干渉
フランス、ドイツ帝国、ロシア帝国の三国が日本に対して行った勧告で、日清戦争で手に入れた遼東半島を手放します
これにより、ロシアは旅順、大連(ともに中国)を手に入れ南下政策を進めます
1902年 日英同盟
南アフリカ戦争で疲弊しているが、ロシアの南下を止めたいイギリス。
三国干渉で悔しい思いをした日本に急接近します
1904年 日露戦争
日本海奪取をもくろむロシアvsイギリスの後ろ盾をえた日本が戦います
1905年 血の日曜日事件(ロシア第一革命)
国力差で、圧倒的に強かったロシアが日本に負けたのか。。それはロシア自体が非常事態だったからです
皇帝ニコライ2世が、民衆デモに向けて一斉銃撃を行った「血の日曜日事件」を発端に、暴動や反乱が頻発するようになります
1905年 モロッコ事件
モロッコの領土をめぐりフランスとドイツが武力衝突をします
ドイツの「3B政策」とイギリスの「3C政策」
3B政策は、ベルリン(ドイツ)・ビザンチウム(トルコ、現イスタンブール)・バグダード(イラク)を「バグダード鉄道」で結ぶもの
3C政策は、カイロ(エジプト)・ケープタウン(南アフリカ)・カルカッタ(インド)を船で結ぶものです
3B政策(ドイツ)は、ロシアの南下を阻止、イギリスの利益を阻止するもので、ドイツはロシアとイギリスとの対立を深めました
加えてモロッコ事件(1905年)でフランスとドイツの関係は悪化していました
そして、ドイツを共通の敵とする三国(ロシア、イギリス、フランス)がそれぞれの思惑で近づきます
1907年 英露協商
ついに、日本を通して代理戦争をしたロシアとイギリスが手を組みます
またフランスとロシアは露仏同盟(1879年)、イギリスとフランスは英仏協商(1904年)に手を組んでいます
三国同盟(ドイツ・オーストリア・イタリア) VS 三国協商(イギリス・フランス・ロシア)
一触即発の状態になります
1914年 サラエボ事件
オーストリアの皇太子が暗殺された事件
これをきっかけにオーストリアがセルビアに戦線布告、セルビアはロシアに救援をたのみ、ロシアがオーストリアに宣戦布告、オーストリアはドイツに。。という形で第一次世界大戦がはじまります
1915年 ルシタニア号事件
太平洋の向こう側、アメリカは中立の立場でしたが、ルシタニア号事件を機に世論が反ドイツへと傾きます
1917年 (ロシアの)2月革命
ロシアで起こった民衆蜂起によってロマノフ朝を倒した革命です
これにより、ロシアは戦争どころではなくなります
1917年 アメリカ参戦
フランス・イギリスに多額のお金を貸していたこと(負けたら返ってこなくなる)や世論を受けついにアメリカが参戦します
1918年 第一次世界大戦 終戦
1918年11月についにドイツが降伏。第一次世界大戦が終結します
【ネタバレあり】感想
「あ、キングスマン」を見てたのかと数回思うくらい前作・前々作のおちゃらけ度がなく、戦争ものでした
謎の狂団(第一次世界大戦を引き起こし英国を打ち負かしたい集団) VS オックスフォード公 がメインです
今回の敵は史実通りに事を動かしていくので、「脚が鋭利なお姉さん」とか「人をミンチにするお姉様」とか出てきません
謎の狂団と歴史
歴史の裏には、謎の狂団がいる。。
山の上を拠点にしている謎の狂団は、世界をまたにかけて暗躍していました(拠点トイレなさそうだけど、どうしてるんでしょう。みてるだけで寒くてトイレ行きたくなりそうなんだけど)
ちなみに、ボスはモートン(演:マシュー・グッド)だったんですが、ラスプーチンのほうが強そうでした
ロシア帝政崩壊にかかわったラスプーチン
グリゴリー・ラスプーチン(演:リス・エヴァンス)も狂団の一員
ニコライ2世(演:トム・ホランダー)の息子・アレクセイの治療にあたったことから、皇帝一家から信頼を得ます
*狂団の目的は、ロシアの戦争介入の阻止です
1914年 サラエボ事件
事件を起こしたガヴリロ・プリンツィプも狂団の一員。この事件によって第一次世界大戦がはじまります
1917年 (ロシアの)2月革命
1916年ラスプーチンは死亡します(本作では、オックスフォード公が倒しますが、歴史上では、ドミトリー大公に殺されます)
ロシアの戦争介入を妨害すべく、次に狂団から送り込まれたのは、ウラジーミル・イリイチ・レーニン(演:アウグスト・ディール)でした
1917年 アメリカ参戦
1915年 ルシタニア号事件から2年経ちようやくアメリカが参戦します
狂団としては、アメリカに介入されると戦争が終わってしまうのでなんとしても阻止したい!
マタ・ハリ(演:ヴァレリー・パフナー)を送り込み、ウッドロウ・ウィルソン大統領(演:イアン・ケリー)を強請っていました
そして。。
生き延びたエリック・ヤン・ハヌッセン(演:ダニエル・ブリュール)が、ウラジーミル・イリイチ・レーニン(演:アウグスト・ディール)とアドルフ・ヒトラー(演:ダフィット・クロス)を会わせて終わります
(次は、第二次世界大戦が舞台なのかな)
父と子、そして戦争
オックスフォード公が息子・コンラッドに、軍隊には入るなというのですが、コンラッドは最終的に入隊し、命を落とします(しかも味方に勘違いされて死亡)
本当の戦場は、父の言った通り地獄であることが分かったときにはすでに時遅しだったというわけです
これを受けたオックスフォード公が、第一次世界大戦長引かせている悪党をこらしめ、キングスマンを設立する経緯へとつながります
「祖国のため」と若者が死んでいった戦争、大事な人の命がこんなにも軽く扱われてよいのかという強いメッセージ性を感じました
んでも、キングスマンってそういう話だったっけ
キングスマン要素
非常に面白かったんですが、「キングスマン」要素薄目でした
ちゃんと「キングスマン」ぽいシーンもあったので、紹介します
VSラスプーチン
Fワード全開で、美女をひっさげたラスプーチン。「こ、これだよ、これがキングスマンだよ」と思わず歓喜!
アクションシーンも眺めで、チャイコフスキー「1812年」の編曲?で警戒に踊りながらの戦闘シーン
でも、ラスプーチンが、ラスボスかとおもいきや中ボス(CM見る限りラスボスみあるよね。。)
ポリーの一撃で呆気なく死んでしまうラスプーチン。ちなみに、本物の?ラスプーチンも銃殺です
諜報活動
メイドのポリーがメイドネットワークを駆使して情報を運んできます
ティーポットに盗聴器をしかけたり、100年前でも可能そうな諜報活動が描かれます
ただメインは戦争なので、ポリー(およびメイドさん)以外のそういうシーンはあんまりなかったです
Manners make the man は誰が発したのか
「キングスマン」といえばこのセリフ「Manners make the man(マナーが紳士を作る)」だと思っているんですが、戦闘シーンに一瞬でてきます
まさかの敵の頭領・モートン(演:マシュー・グッド)が発した言葉でした
その他
オックスフォード公が、雪山に上ることになり、靴にナイフを刺します
後々のキングスマンたちが、使う靴の原型になったんだろうなとテンションあがりました!
あと気になったのは全員英語しか話さないこと。これは戦争映画にはあんまりない演出かなと思いました
最後に
「キングスマン」要素は少な目でしたが、面白かったです
いい歴史の勉強になりました笑
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