こんばんは、ぬんです
初めてのインド映画!踊ってばっかりなんだろうなぁと勝手に思ってたけれど、(もちろん歌って踊ってはいるけど)とっても素敵な映画でした
急降下急旋回する映画で楽しめました。
ただ、自殺シーンがあります。
インドの自殺問題があんまりしっくりこなかったので調べてみました。
Hulu
視聴方法
鑑賞前に注意したいこと
特にないと思いますが、若者の自殺などセンシティブな話題も含んでます。
3時間近くある映画ですが、飽きずに楽しめました(でも映画館で見てたら絶対トイレ行ってた)
ちょっとお下品な部分はあるかも。
概要
インドの大ヒット映画。第37回日本アカデミー賞では優秀外国作品賞を受賞。
公開年
2009年
監督
ラージクマール・ヒラーニ
あらすじ
インドの超難関理系大学ICEで出会った三馬鹿トリオの物語。卒業して10年後から、在学中を思い返すような展開で話が進む。
出演者及び役柄紹介
ランチョー
天才。機械が大好き。謎が多い部分もある。
ファルハーン・クレイシー
彼視点でストーリーが進む。至って普通と本人は思っているようだが、そんなことはない。
ラージュー・ラストーギー
貧しい苦学生。彼の家族登場シーンは、(絵に描いたような貧困家庭なので)白黒になる。
ピア・サハスラブッデー
本作のヒロイン。超難関理系大学ICE学長の娘。医者の卵。キスをするときに鼻が当たるとの噂。
ヴィールー・サハスラブッデー
超難関理系大学ICE学長。成績至上主義。
チャトル・ラーマリンガム
裕福で嫌味な男。(本人は自覚がないが)オナラを武器にする。三馬鹿の1番の被害者でもある。
マンモーハン
超難関理系大学ICEで、物運びをしている少年。
下記からネタバレ含みます
インドの自殺問題
映画本編でのシーン
「きっと、うまくいく」は、明るいタッチの映画ですが、未遂も含めて3人の自殺を描いています。
- ジョイ・ロボ。三馬鹿の先輩で、卒業できないことを知り自殺。
- ピアの兄。エンジニアになることを父に強要される。ICEには合格できず自殺。
- ラジュー。学長に退学するか、ランチョーを退学させるか究極の選択を選ばされることになり、自殺未遂。
素敵な映画でしたが、同じ映画の中で3人も亡くなる(亡くなりかける)のでとても印象に残りました
ただ、そこで疑問が。インドって自殺が問題になっている印象がない。
というわけで少し調べてみました。
世界各国の国別ランキング
1位リトアニア、2位韓国、3位ラトビア(中略)9位日本
2017年データ、グローバルノート
今回参照したデータは41位までしか載っておらず、そこにはインドは載っておりませんでした。
他のサイトですと20位くらいにあったりしました。ただ、日本よりは自殺率が低いことは確実なようです。
そもそも正確な統計データがない
インドには正確な自殺統計が存在していない
インドにおける青年期の自殺死亡 : 国家犯罪統計局 の警察統計を用いた分析
数年前の論文にて上記の記載があります。
また、こちらの論文にて、把握しきれていない原因にも追及されています。
インドでは死亡者の死因状況の把握はわずか 8% であるとされている。州によって異なるが,一般に公衆衛生行政は日本のように機 能しておらず,死亡が届けられ集計されるような仕組みは確立されているとは言えない。(中略)インドでは刑法 309 条でつい最近まで自殺を禁固や罰金を伴う有罪としていた。自殺 は汚名であり,隠ぺいしなければならないとい う社会風土が存在していることが指摘できる。
インドにおける青年期の自殺死亡 : 国家犯罪統計局 の警察統計を用いた分析
つまり、統計データと実態が異なっている可能性が高いということです。
また、映画本編でも学長に、ピアが兄は自殺したの!と問い詰めますが、学長は認めないというシーンがあります。
男女問わず多い
本作では全員男性でしたが、女性の自殺も結構多いようです。
統計的に正しい数値かは置いておいて、女性ではダウリー死が多いようです。
ダウリーってなに
ダウリー(Dowry)とは,結婚に伴う女性側 の家が支払う持参金のことであり,またダウリー死(Dowry death)とは,ダウリーの要求 に関連するハラスメントや虐待・拷問を原因と する自殺や他殺のことを言う
インドにおける青年期の自殺死亡 : 国家犯罪統計局 の警察統計を用いた分析
劇中でも、ラジューの姉がダウリーが払えず困っているシーンがあります。
これでもインド、2020年の男女指数ランキングでは日本を上回っているんですよね。。。
最近起きた事件
この映画が公開されたのは2009年ですが、公開10年後の2019年に下記のような事件が起きているとの報道がありました
この記事の中でも”国家犯罪統計局によれば、同国では毎年数千人の若者が自ら命を絶っており、2015年は全自殺者の6.7%に当たる9000人近くに上った”との記載があります。
実態は日本以上に自殺が多い国なのかもしれません。
感想
自殺問題などの重めの話題もありましたが全体的には明るめな映画。歌って踊って笑いも泣きもキュンもハラハラドキドキも全部詰まった一作でした。
全部詰まってるのに話が破綻してないのが、この作品のすごいところ。
心からおすすめできる作品のひとつとなりました。
ごちゃ混ぜなのにしっかり伏線は回収される
みている途中で思ったこと。
これ、伏線回収できるのかな、詰め込みすぎでは?でもそれは杞憂に終わりました。ざっとまとめるとこんな感じ。
- ピアとランチョーの恋
- ランチョーを探す旅
- 今を生きるとは?
- 自分の人生は自分で決める
- 教育問題
- 自殺問題
- 貧困
- ダンスと歌
めちゃくちゃ入ってる笑
ランチョーの言葉がささる
ランチョーが発する言葉や行動は、どれも心にくるものばかり。
1番のお気に入りなのは、これ
成功を追うのは間違いだ。優秀なら成功はついてくる
ランチョーの発言より
勉強の本質をついています。そして、ランチョーがいうとしっくりくるんですね。だってランチョーめちゃくちゃ成功しているんだもの。
他にも、親の期待した職業になる(エンジニア)か自分のなりたい職業になる(カメラマン)悩んでいるファルハーン。
ランチョーは一喝。絶対後から後悔するよ。と諭すんです。
まとめ
一度見る価値のあるインド映画。要素てんこ盛り!だけど楽しいそんな映画でした。
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