【書評】「ベイスターズ再建録」ベイスターズはなぜチケットが取れない球団になったのか?

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こんばんは ぬんです。

「ベイスターズ再建録」、これがめちゃくちゃに面白かったので、感想記事を書きました。

本著は、現役選手へのインタビューはありません。バック側、監督をはじめ球団職員のインタビューとなっております。野球ファンのみならず、ビジネス書としても楽しめる一作となっておりました。

ユニフォームを着ている人はきょうのこと、あすのこと、今シーズンのことを考える。我々は違う。3年先、5年先をみて動かなければならない。

本書 より引用
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こんな人におすすめ!

  • 野球が好き(ベイスターズファン以外でも楽しめるはず)
  • スポーツビジネス、エンタメビジネスに興味がある

概要

著者

二宮 寿朗

スポーツライターをやられている方です

経歴は こちら

概要

客席はまばら。順位はたいていBクラス、あのベイスターズはもういない。

いかにしてチケットが取れない球団になったのか。インタビューを通して描かれるノンフィクション

感想

関内駅・日本大通り駅付近はもちろん、ベイスターズラッピングカーなど、「横浜=ベイスターズ」の印象がついてきたと、一般人のわたしでも感じます

思い返してみてください。10年前。「神奈川県民で野球好き」と聞いたら、「ベイスターズのファンですか?」と聞いたでしょうか。

たぶん「巨人ですか?」とか「スワローズですか?」と聞いていたんじゃないでしょうか。

でも今は「ベイスターズのファンですか?」と聞くんじゃないでしょうか?

企業体質を変える

ベイスターズの親会社、株式会社ディー・エヌ・エーは、1999年3月生まれた会社です。

横浜DeNAベイスターズの前身が生まれたのは1953年のこと、親と子以上に年の離れた若い企業が買収に乗り出します。

IT企業DeNAがTBSからベイスターズを買収

2011年、ソフトバンク・楽天に引き続き3社目のIT企業が球団買収を行いました。セ・リーグでは初めてのことで、現在もセ・リーグでのIT企業は1社のみです。

ITインフラはまったくと言っていいほど整備されていない。(略)PCも一人1台支給されておらず、社内の重要連絡は紙の書類で回っていた

本書 より引用

DeNAから”先兵隊”として派遣された・萩原さん。IT企業ではありえないことが、球団事務所では当たり前。ここからメスが入ります。

ITの介入は、オフィスにとどまることなく、やがてチケット販売や選手獲得へと広がりをみせました。

勝ってなんぼの世界

本著のメインは、観客動員をはじめとする施策についてですが、どのようにして勝てるチームにしたかにしても言及されています。

ベイスターズは、優勝こそないものの、2016年3位、2017年3位、2019年2位とAクラス(リーグで3位以上のこと)入りをはたしています。

暗黒期

さかのぼること2000年代、ベイスターズは勝てませんでした。

勝率は3割台、首位打者の打率みたいな数値を勝率でたたき出していたのです。

2002年 6位 勝率.363

2003年 6位 勝率.324

2004年 6位 勝率.437

2005年 3位 勝率.496

2006年 6位 勝率.408

2007年 4位 勝率.497

2008年 6位 勝率.338

2009年 6位 勝率.354

2010年 6位 勝率.336

NPB より引用

当たったドラフト、外国人選手

潤沢な資金はなく、限られた予算でよい選手をとらなくてはならない。

前述のIT技術を使って選手の獲得、育成を行ったそうです。

例えば「ドラフト戦略」。2012年6位の宮崎敏郎選手、2019年9位の佐野恵太選手。下位のドラフト指名選手でしたが、今や一軍スタメンで活躍しているスター選手です。

外国人選手で言えば、2018年のネフタリ・ソト選手を獲得し、18年19年とホームラン王になりました。

みんなで楽しめる球場に

夏のミカン氷、クラフトビール。などなど。グルメがおいしいのもハマスタの魅力。

家族、カップル、女子会 などなど 様々な客層でごった返しているハマスタ。非日常のワクワク感はわたしも肌で感じています。

数年前はおじさん・お父さんの趣味だった野球

昔は座席でタバコが吸えましたし、野球場って”おっちゃんがタバコ吸いながら見るところ”でした。薄汚れているイメージもあって、女性が積極的に足を運ぶところだとは言い難かった。

本書 より引用

たしかに、数年前はおじさんばかりでした。(過去映像とかみてもそうですよね)

ママも女子も取り込む

女性ファンを増やすために「超新星」を呼んでみたり。様々なイベントを観光しました。現在では「YOKOHAMA GIRLS☆FESTIVAL」など女性メインのイベントも開催。

女性だけではなく、家族で楽しめるように、子供が行くだけで楽しめる(子供が楽しめればママも行く)そんな球場になっています。

【余談】カープ女子っていつ生まれたの?

DeNAがオーナーになってから2年後の2013年に「カープ女子」という単語が生まれました。

カープのグッズ売り上げも向上。野球観戦がおっちゃんのものだけではなくなってきていました。

その後オリ姫(オリックスバファローズ)などなど続々と登場します。

(巨人ファンの女子のことジャイ子っていうんですね!知らんかった)

【まとめ】「ベイスターズ再建録」

そのほかにも中畑初代監督・三浦監督へのインタビュー、イベントの裏側、会社の合併についても言及されていて、面白い本でした!

野球ファンのみならず読んでほしい内容です。

参考記事

株式会社ディー・エヌ・エーについて:会社概要 | 株式会社ディー・エヌ・エー | DeNA

ベイスターズの歴史:ヒストリー | 横浜DeNAベイスターズ (baystars.co.jp)

カープ女子:なぜ「カープ女子」が増えているのか | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

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